
未経験だけど整体・リラクゼーション業界に転職したいな。でも、自分が向いてるか分からないし、転職しても仕事が辛かったら嫌だな…。かといって今の仕事を続けるのも嫌だし、どうすべきだろう。
この疑問に答えます。
本記事の内容
転職で失敗を避けたいなら、まずは調べるべき話
未経験で整体・リラクゼーション業界に転職する前に、仕事内容を理解しましょう。

この記事を書いている私は他業種から転職して、整体・リラクゼーション業歴は20年ほど。
あん摩マッサージ指圧師の国家資格があるので、健康保険での訪問マッサージの会社ならば、60歳でも転職可能な状態です。
こういった話をすると、「手に職があるっていいね」って言われるので、今回は、未経験で整体・リラクゼーション業界に転職を考える方向けに具体的な方法論を解説していきます。
よく知人から相談されて答えるような内容を記事にしました。
まず、未経験で整体・リラクゼーション業界転職する前に仕事内容を理解すべきです。
整体・リラクゼーション業界といっても幅広いです。
まずは、ざっくりと業界を理解しましょう。
●仕事内容一覧表
国家資格 | 開業権 | 治療 | 施術内容 | |
あん摩マッサージ指圧師 (機能訓練指導員) | ◯ | ◯ | ◯ | 揉んだり押したりさすったり、運動療法、ストレッチ 骨格調整系整体(長生学園) |
鍼灸師 (機能訓練指導員)実務経験必要 | ○ | ○ | ◯ | ハリとお灸 |
柔道整復師 (機能訓練指導員) | ◯ | ◯ | ◯ | 急性の怪我、いわゆる接骨院・整骨院の先生 |
理学療法士 作業療法士 | ◯ | ✖️ | ◯ | 病院内でリハビリ |
整体師(俗称) | ✖️ | 法的には✖️ | 法的には✖️ | 整体という名のあん摩マッサージ指圧、ストレッチ ごく僅かですが、あん摩マッサージ指圧以外のいわゆる整体 |
カイロプラター(俗称) | ✖️ | 法的には✖️ | 法的には✖️ | 骨格調整系、カイロで食えなく揉みほぐしの人が多い |
リラクゼーションセラピスト(俗称) | ✖️ | ✖️▲ | ✖️ | 癒し 足裏マッサージ タイ古式 アロマセラピー ・・・・・ |
※俗称と書いているのは、正式な免許・資格ではないが、一般的に知られている名称という意味です。
※現状、開業権のない理学療法士、整体師、カイロプラクター、リラクゼーションのお店は行政から放置状態なので、自己責任で開業しているのが現状です。
上記は私の独断と偏見で分類しました。
とりあえず上記のパターンを理解すれば、最低限の知識としては大丈夫。
順番にみていきましょう。
鍼灸あん摩マッサージ指圧師(鍼灸師)(あん摩マッサージ指圧師)
あん摩マッサージ指圧師には機能訓練指導員という資格もついてきます。
単にあん摩マッサージ指圧の手技だけでの自費治療では、かなり厳しいです。
そこからさらに、プラスαの技術がないと。
なぜならば、ちまたに激安マッサージがいくらでもありますよね?
古い先生や業界最古参などは、あん摩マッサージ指圧の腕を磨けば大丈夫と言いますが、マーケティング目線のない世間知らずです。
マッサージだけの免許だと勘違いされていますが、いわゆるボキボキ整体の学校もあります。(長生学園)
あん摩マッサージ指圧師の免許があれば、健康保険を使った訪問マッサージができます。(医師の同意書が必要)
時々、無免許マッサージ問題が世間を騒がすこともありますが、無免許問題は放置というのが社会的な流れです。
鍼灸での治療は、さすがに無免許ではありえないので、鍼灸師の業務独占です。
ですが、鍼灸専門でやっていけている先生は非常に少ないです。
誰に向いているか?
あん摩マッサージ指圧師は健康保険での訪問マッサージをやりたい人。
手技療法の開業権の国からのお墨付きが欲しい人。
鍼灸師は治療家を目指したい人。
医療系国家資格全般に言えることですが、この道で一生食べて行こうと考えている人の分野です。
私は鍼灸の免許は持っていないですが、鍼灸師の友人を見ていると、西洋医学でダメだった患者さんに対し、治療効果を出していたりして凄いなと思います。
業界の将来性は?
鍼灸専業で食べていくのは結構厳しいと言われていますが、探究心のある方や治療オタクにはイチオシですね。
健康保険での訪問マッサージは高齢者が対象となるため需要が多く、無免許マッサージは参入出来ないので、基本的には明るいと思います。
また、設備投資がほぼなく、あん摩マッサージ指圧師免許だけあれば独立開業できるので、独立する人も多いです。
注意しないといけないのは、厚生労働省による療養費の改定が定期的にあることです。
2021年現在ですと、コロナ騒動で高齢者施設に立ち入り禁止などあり、悪影響を受けています。
ただ、他業種オーナーや整骨院が経営している訪問マッサージはできません。
ブラック系が多いです。
柔道整復師
機能訓練指導員という資格もついてきます。
整骨院(接骨院)の先生です。
整骨院といっても保険治療と自費治療にわかれますが、最近だと自費治療をやりだしている先生が多いですね。
整骨院て、本来は怪我(捻挫、打撲)の保険治療がメインですが、昔は肩凝りや腰痛などを保険で治療して荒稼ぎしていた先生が結構いました。(怪我以外での保険治療は不正請求です)
近年は行政がきちんと保険請求を審査するようになり、ちゃんと保険治療と自費治療をわけている先生も多いです。
誰に向いているか?
リラクゼーション系と同じで巨大な業界ですが、ざっくりいうと治療好きの人です。
治療系手技とかって奥が深いので、一生勉強です。その分野に興味を持っていないと、休日にセミナーとかあるので、ついていくだけで疲れると思います。
業界の将来性は?
家賃や機材レンタルで経費も多くかかり、ライバルも多いです。将来性は微妙ではないかなと。
とはいえ、実力ある先生は自費でやっています。
また、機能訓練指導員として病院や介護系施設での仕事もあります。
※柔道整復師の免許を持っているけど、関係法規に縛られないように、あえて整体院、整体師として自費治療している先生も最近は増えてきました。
理学療法士、作業療法士
病院や老人ホームなどでリハビリをする先生です。
開業権がないので、あえて整体師を名乗って開業する人も最近はいます。
医療系専門学校で3年間勉強するので、基礎医学の知識の担保はあります。
座学が大変なので、勉強熱心な先生が多い印象です。
誰に向いているか?
勉強熱心な人。正社員で安定を求める人。
業界の将来性は?
病院、訪問リハビリ、老人ホーム、デイサービス、デイケアなど需要は沢山あり、安定した職業です。
看護師さんとも仲良くなれるでしょう。笑
整体師(俗称)
公的な免許ではないです。
ざっくり言うと、完全実力主義の世界です。笑
ほとんどの整体院のやっている内容は揉んだり押したりストレッチしたりと、ようはモグリのあん摩マッサージ指圧業です。
ごくごくまれに、もみほぐし以外の施術をしているところもあります。
(医療系国家資格なしで揉み解し以外の整体をやっている知人がいます)
なお、数日間〜半年間くらいでも整体師を名乗れるので、基礎医学・関係法規の知識のない人が多い印象です。
誰に向いているか?
とりあえず、整体・リラクゼーション業界で働き方たい人。
最初はお金をかけず、整体・リラクゼーション業界が自分に合っているか確かめたい人。
業界の将来性は?
いわゆる『人間力』や『営業力』がある人なら、アリかなと思います。
整体・リラクゼーション業務ってその大半はマッサージ業務で、手順を覚えればある程度はできちゃいます(骨格矯正系は除く)。
一番大切なのは、まずは自分でトライしてみて、一生やっていこうと思うなら医療系国家資格取得かなと思います。
カイロプラクター(俗称)
こちらも、一か八か、ピンキリ、完全実力主義の世界です。
アメリカの国家資格ですが、アメリカでは6年間のた医師レベルの勉強が必要です。
日本の民間スクールでは数ヶ月〜2年間です。
普通に考えて、そんな短期間で技術と座学が習得できるはずもなく、ほとんどのカイロプラクターはもみほぐし業務にはしります。
ちなみに、アメリカのDC(カイロプラクティックのアメリカの国家資格)の免許を持っていて、日本で開業している先生の助手をやりつつカイロプラクティックの勉強していた知人(鍼灸マッサージ師)がいますが、その先生の院に10回通っている患者さんの施術は効果をみても、「言われてみれば効いてるのかな」くらいだったそうです。
そんなモンです。笑
私のまわりにカイロプラクターを志していた知人が結構いましたが、結局は鍼灸師の資格取ってカイロプラクティックやめています。
理由は、危険でリスク高いからだそうです。
首のポキポキ整体は危ないですと厚生労働省から注意喚起されています。
私は絶対にあり首のポキポキはやられたくありません。
その他の知人は、結局は温浴施設のボディケア(マッサージ)で働いていたり。
(ちなみにその知人の指圧が、過去で一番効果ありました)笑
そのくらい、カイロプラクターでは食えないです。
ネットサーフィンして、近所のカイロプラクティック院のHPを覗いてみてください。
「もみほぐし」「ボディケア」とかメニューに入れて、そっちで食っていますから。
ネガティブなことばかり言ってしまったので、最後はポジティブなお話です。
カイロプラクティックは教科書上の理論は素晴らしいです。
もみほぐし&カイロプラクティックで組み合わせれば、武器にはなると思います。
あん摩マッサージ指圧師が『マッサージ』のみで施術しているよりも、カイロプラクターが「もみほぐし&カイロプラクティック」で施術した方がお客さんは価値を感じてくれるでしょう。
一般人からみた「整体で歪みを治してもらった」って感じですかね。
誰に向いているか?
医療系国家資格に興味なく、カイロプラクティックに憧れる人。
身近に稼いでいるカイロプラクターがいて、弟子にしてもらえる人。
業界の将来性は?
もみほぐしと組み合わせないと、カイロプラクティックのみでは食えないと思った方がいいかも知れません。
「勉強熱心」「体の使い方がうまい」「営業力」を兼ね備えている人なら、いいかもです。
リラクゼーションセラピスト(俗称)
リラクゼーション系はわかりやすいですよね。
ざっくり言うと、リラクゼーション関連のボディケア、リフレクソロジー、タイ古式などをしている会社でして、有名なのはリバース東京(ラフィネ)、りらくる、とかです。
特にラフィネは女性セラピストによる丁寧な接客サービスを軸にしている感じですね。
なお、リラクゼーション系は正社員ではない業務委託で歩合制のセラピストが多いです。日本にはいったい何社あるのでしょうか。かなり大きな業界です。
誰に向いているか?
接客好きでサービス精神のある人ですね。
個人的には女性セラピストには一押しの業界でして、経験積んで自宅開業する人もいます。整体・リラクゼーション業界選びに困ったら、まずはリラクゼーション系から入ってみるといいんじゃないかと思います。
あとは、その会社の無料研修でボディケア(マッサージ)、リフレクソロジー、タイ古式等を習得したい人とかかな…という感じです。
わりと誰でも馴染みやすい業界だと思います。
業界の将来性は?
ずばり、ストレス社会なので需要は続くという意味では、将来は明るいと思います。
もちろん業務委託歩合制が多いため収入もセラピストによりけりですが、リラクゼーション系の特徴は”女性セラピストが圧倒的に有利”ということ。
ですが、基本的に”サービス業の意識が低い人間”は淘汰されます。
ぶっちゃけ、最初は体力的にキツいですが、お客様の反応をダイレクトに感じられるので、事務職よりはモチベーションは上がると思います。
分野別に習得方法を解説してみる
あん摩マッサージ指圧師に興味がある場合
専門学校で3年間勉強して国家試験を受けます。
あん摩マッサージ指圧師の専科、鍼灸師の専科は容易に入学できます。
あん摩マッサージ指圧師の専科は、2次、3次募集だと倍率高いです。
鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師を両方取れるのは本科と言いまして、倍率高いです。
どこの専門学校も、昼間部、夜間部があります。
学生の平均年齢は30代中盤かと思います。
私の行っていた専門学校は、平均年齢が30代中盤でした。なので年齢は気にしなくても大丈夫。
授業時間も専科は3時間くらいなので、働きながら通う生徒が多いです。
まずは、学校、学費などを調べてみましょう。
未経験なのに専門学校出ただけで、いきなり治療院に転職なんて出来るの?という疑問がありますよね。
その答えは「大丈夫」です。
あん摩マッサージ指圧師については、視覚障害者の職域保護の意味で、養成学校が限られており、あん摩マッサージ指圧師の免許取得者が少ないです。
ですので、健康保険を使う訪問マッサージ業界では高齢化社会のため患者さんが多く、需要と供給のバランスでいくと、あん摩マッサージ指圧師が足りていない状態です。
大手や中堅の訪問マッサージの会社なら、新卒未経験でも自社研修があるので就労できます。
ですが、現場未経験でいきなり開業は厳しいです。
その理由は、学校の実技練習がぬるま湯だからです。
入学前、在学中と整体・リラクゼーション系で経験を積んでいる人は実力次第です。
私の同級生ですが、免許取得後に即開業して余裕でやっていけていました。
(その人はリラクゼーションセラピスト時代に沢山指名をもらえる腕前でしたが)
柔道整復師(整骨院・接骨院)に興味がある場合
これも、専門学校で3年勉強後に国家試験受けて、ほとんどが整骨院に就職する感じですね。
柔道整復師の専門学校は、沢山あるのでに入学に関しては倍率低く容易です。
免許を取得した後は、ほぼ整骨院で働きます。
その現場で、もみほぐし業務をしつつ、その他の手技療法を自分で勉強していく感じですね。
なお、柔道整復師と鍼灸師のダブルライセンスを所持しているのが、整骨院の先生の王道だったりします。
理学療法士 作業療法士
専門学校で3年勉強して国家試験後に免許取得です。
結構、勉強は大変です。
医療系国家資格全般にいえることですが、免許とってから必要なことを勉強してステップアップしていく感じです。
整体師(院)系に興味がある場合
民間の整体スクールでもみほぐしを習い、時給や完全歩合で働く感じです。
ですが、民間の整体スクールはコスパ悪く、オススメできません。学費が何十万もかかりますが、
リラクゼーション系の会社の無料研修と内容は同じです。
私の経験上分かりますが、リラクゼーション、マッサージ、整体とかって、経験が命だと思っています。手技やコミニケーション術は上手な先輩方を参考にしながら、経験を積みつつ覚えるしかないです。
カイロプラクターに興味がある場合
リラクゼーション系に興味がある場合
リラクゼーション系に興味があるなら、無料研修を自社でしているところがオススメです。
接客、ボディケア、リフレクソロジー、タイ古式など学べます。
なお、1つの手技だけじゃなく、複数の手技を学ぶと良いです。
無料で手技と接客を学べます。
素晴らしいですよね。
代表企業:リバース東京(全国の温浴施設やスパ)、ボディワーク(ラフィネ)
ざっくり言うと、リバース東京もボディワークも同じ会社です。
現場で経験を積みつつ、まずは指名を取れるのを目指すのがいいかなと。
私はリバース東京の業務委託契約で、繁盛している温浴施設で働かせてもらい月40〜50万円くらいを稼ぎつつ、頑張って学費を貯めて、あん摩マッサージ指圧師の専門学校へいきました。
専門学校に通いながらも、毎月40〜50万円くらいを稼いでいました。
6000円の歩合50%=3000円を7人くらいで、1日2万円強ですね。
繁盛している温浴施設で働けたのが、凄くラッキーでした。
余談ですが、温浴施設の同僚の女性セラピストは、リバース東京の研修後の1〜2年でもブッチギリで指名をとっていました。
その女性セラピストはラフィネからリバース東京の温浴施設に移動させてもらい、収入はラフィネの2〜3倍くらい稼いでいたと思います。
未経験のあなたが整体・リラクゼーション業界に転職する手順、及びそれにかかる期間
手順と期間をまとめました。(国家資格の専門学校に行かない場合)
手順①:まずは業界を理解する(期間:1週間)
手順②:転職サイトをチェック、相談する(期間:1ヶ月〜3ヶ月)
手順③:リラクゼーション系の会社で研修の場合は(期間:2〜3週間くらい)
こんな感じかなと。
順番に見てきましょう。
手順①:まずは業界を理解する(期間:1週間)
この記事の序盤で解説したとおり。
「まあまあ理解できました」って人は、これ以上は何もしなくて大丈夫。
「ちょっと不安、もう少し調べたいな」って人は、国家資格系の個人治療院に行って、施術を受けつつ、先生に相談してみると良いでしょう。無免許系整体院で相談するのはやめましょう。
手順②:転職サイトに相談する(期間:1ヶ月〜3ヶ月)
現在の仕事が退屈って人は、転職サイトをチェックしておきましょう。
転職エージェントは3社くらい使うべき
転職エージェントは3社くらいに登録しつつ、とりあえず幅広く様子見するのが良いです。
転職活動は時間がかかるので、早めに動いておくのがいいです。
手順③:リラクゼーション系の会社で研修の場合(期間:2〜3週間くらい)
先ほど紹介したとおりですが、結論をもう一度見てみます。
無料研修を受けて手技と接客を覚える。
忙しい稼げるお店で働いて学費を貯める。
その他の手技を覚える。
一生の仕事にするなら、国家資格の専門学校に入る。
こんな感じ。
大切なことは、”リラクゼーション系か治療系か好きな分野を見つけること”です。
全く興味のない分野で毎日働くとか、、、ただの地獄ですよね。
まずは自分で試してみて、「あれ、これは自分に合っているかも」って分野を見つけましょう。
なお、私の例でいうと「手に職系が自分に合ってて楽しそうだな」という興味関心から、キャリアがスタートしました。温浴施設でボディケアをしつつ、上手だと評判の指圧マッサージや整体系の手技療法を勉強がてら受けに行ったり、同僚と情報交換したりしていました。
まずは色々試してみましょう。